卒業
先輩との出逢いは バイト先
先輩とそのまた先輩が 私に話しかけてくれました
きっかけは 私のジャージ見て
同じ高校だと 気づいて声をかけてくれました
綺麗に私が高校1年で先輩は2年 そのまた先輩は3年でした
1学年ずつ違うのと 私のクラスの友人を知っているのが相まって
時たま話しかけてくれる関係になりました
私はその一つ上の2年生の 先輩へ恋に落ちました
やんちゃそうな見た目とは裏腹に
気さくで優しい笑顔に惹かれました
背は小さいのに そうとは感じさせない男らしさなところも
素敵だな と思いました
でもあいにく先輩には 他校の同い年の学級委員長と恋仲でありました
悲しいな とは思ったけれど
逆にそれで良かったな と思いました
先輩は先輩の存在のままで 私の中でいてほしいと思いました
時たま学校で見かける 先輩が
儚く 貴重な存在に思えました
先輩の存在を学校で感じることで それだけで私の日常が
かけがえのない時間となりました
私にも こういう風に思える相手がいる事が
とても特別に思えたのです
でもその気持ちも 今日でお別れ
今日は珍しく 地味な私だけれど
先輩を送り出したい 一心で
アーチ係の役目に手を挙げて 自ら行動を起こせました
卒業式 終盤 先輩方退場の瞬間
花の飾られたアーチを持って
担当の後輩が ぞろぞろと
アーチロードで先輩方を 送り出します
二列で並べられた先輩方の中に
私の目の前を 先輩が通り過ぎる瞬間
ふと 先輩と 目が合いました
私は 静かに 微笑んで
最後のお別れを 果たしました
先輩の後ろ姿はどこか寂しげで
ひとりで なにかを抱えてるみたい
小さな身長とは裏腹に 大きなものを背負ってた
これで正解だったって
自分の中で片づけてるけど 未だに忘れられないのは なぜでしょう
先輩へ 大好きでした